今季初のスターターを務めたのは3月19日のロサンゼルス・レイカーズ戦だった。これはクーズマが負傷したことが要因だったが、ここからは全試合で先発出場し、相手チームの主力ともマッチアップ。同29日のシカゴ・ブルズ戦から最終戦のシャーロット・ホーネッツ戦までの8試合では5ゲームで21得点以上を記録し、シーズンを良い形で締めくくったと言える。

 中でも著しく成長したのは3Pシュートの精度だ。昨季までペリメターからは高確率でシュートを決めていた八村は、ロングシュートの成功率が課題だった。ルーキーシーズンからの2年間における3Pシュート成功率は28.7%と32.8%。それが今季になると44.7%にまで引き上げた。

 この数字はリーグの3Pシュート成功率トップとなっているルーク・ケナード(ロサンゼルス・クリッパーズ)の44.9%に迫る数字。八村の成功数は55本(試投数123本)で、規定の82本には届かないが、シーズンを通じてプレーしていればかなり上位につけていた可能性がある。

 11.3得点、3.8リバウンド、1.1アシストのシーズンアベレージはそれぞれ過去2シーズンを下回ったが、これは復帰がシーズン後半になったことやチーム内の役割にも起因することだ。課題となっていた長距離砲が大きな武器となったことで、八村はペネトレイトもしやすくなり、果敢にドライブしてゴールを狙うシーンも多くなった。チームをプレーオフに進ませることはできなかったが、来季に向けかなりの期待を持たせてくれたことは間違いないだろう。

 一方の渡邊は、やや消化不良のレギュラーシーズンとなっている。NBA3年目で本契約を勝ち取りシーズンを迎えた渡邊は、プレシーズンの途中から怪我のため欠場し、初登場となったのは2021年11月24日のメンフィス・グリズリーズ戦。すると1試合空いた後のボストン・セルティックス戦からはローテーション入りし出場時間も増えた。

 12月26日のクリーブランド・キャバリアーズ戦では初スタメン。20本中11本のシュートを決めるなどキャリアハイの26得点を挙げた他、リバウンドも13本奪取するダブルダブルを記録し、チームは99対144で大敗したが、素晴らしい成績を残した。

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シーズン途中に歯車が狂った渡邊