『生皮 
あるセクシャル
ハラスメントの光景』
(1980円〈税込み〉/朝日新聞出版)
小説教室の人気講師がセクハラで告発された。なぜセクハラは起きたのか、家族は事件をどう受け止めるのか、被害者の傷は癒えるのか……。メディアやSNSを巻き込みながら当事者の声を描く著者の新たな代表作
『生皮  あるセクシャル ハラスメントの光景』 (1980円〈税込み〉/朝日新聞出版) 小説教室の人気講師がセクハラで告発された。なぜセクハラは起きたのか、家族は事件をどう受け止めるのか、被害者の傷は癒えるのか……。メディアやSNSを巻き込みながら当事者の声を描く著者の新たな代表作

小説で答えに近づく

──そして今また、映画監督や俳優によるセクハラが告発されています。

 事件が報道されるたびに、加害者サイテー、被害者かわいそう、と思うのは当然かもしれないけど、それで終わってしまっていいのだろうかと考えたのも、この小説を書いた理由のひとつです。

 セクハラを許せないと思うことは、ある意味、当たり前のことです。「こんなサイテーなことを、なんで彼はやったんだろう」「SNSで被害者を中傷する人は、なんでそうするんだろう」って私は考えていきたいんです。答えは出ないかもしれないけど、答えに近づくことはできると思う。テーマにかかわらず、私はいつも「なんで」の答えに近づくために小説を書いています。読者にとっても、そういう小説になってくれれば嬉しいです。

(構成/編集部・三島恵美子)

AERA 2022年4月18日号

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