小泉今日子さん
小泉今日子さん

 島倉さんが好きな82年組アイドルの曲を聞くと、小泉今日子の「たとえばフォーエバー」をあげた。88年の主演映画「快盗ルビイ」の挿入歌として流れた曲だ。

「最近、毎日聴いています。中森明菜さんもそうなのですが、曲ごとに雰囲気や表情がガラッと変わるのがすごくて。演技でも活躍された方が多いですが、そういった演技力も歌の表現に必要なんだなと感じて、自分も舞台などで学んだ演技を曲にこめていかなきゃと思っています」

 地球上の生命の進化が爆発的に多様化したカンブリア紀のように、なぜ、82年という年にスーパーアイドルが多発することになったのだろうか。そのことを考えるために、時計の針を少し戻してみたい。

「日本のいわゆるアイドルというものは、南沙織さんのデビュー、71年に始まったというのが定説なんですね」

 と、歴史を語るのは、アイドル評論家の中森明夫さん。ちなみに、中森さんのペンネームも、82年組の一人、中森明菜からとったものだ。

“元祖アイドル”南沙織がデビューした年、71年10月には、オーディション番組「スター誕生!」がスタートした。

「この番組から、森昌子さん、桜田淳子さん、山口百恵さんの“花の中3トリオ”が誕生し、70年代のアイドルブームを牽引します。そして76年には、同番組をきっかけにピンク・レディーがデビューします」

 キャンディーズ、天地真理、麻丘めぐみ、小柳ルミ子、アグネス・チャン、浅田美代子、石野真子……男性では郷ひろみ、野口五郎、西城秀樹の「新御三家」が大活躍した時代。しかし78年にはキャンディーズが解散し、80年には山口百恵が引退、結婚。そのころにはピンク・レディーの人気にも陰りが見え始めていた。

「そんななか、忽然と80年に登場したのが松田聖子さんなんです」

 と中森さんは熱を込めて語る。

「山口百恵さんとバトンタッチするかのように登場した松田聖子さんという存在。彼女が作り上げたスタイルが、これまでの70年代アイドルからのモードを変えた。のちの80年代アイドルの扉を開いたのが松田聖子さんなんです」

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