だが、今年は登板後も試合に出続けられる。そのうえ、ナショナル・リーグでもDH制が採用されたため、先発登板の試合以外は主に代打出場だった敵地での交流戦でも打席数が増えることになる。
頼もしい「相棒」も戻ってきた。MVP3回、シルバースラッガー賞8回獲得の実績を持つチームメートのマイク・トラウト(30)だ。昨年は5月に腓腹筋(ひふくきん)を痛め、36試合出場にとどまった。
■主軸復帰で大谷と勝負
「大谷は昨年の前半戦が打率2割7分9厘、33本塁打に対し、後半戦は打率2割2分9厘、13本塁打と失速した。その大きな要因は相手バッテリーがまともに勝負しない打席が増えたから。トラウトとアンソニー・レンドン(31)の主軸2人がケガで離脱したため、『大谷と無理して勝負しなくていい』というのが他球団の共通認識になった。トラウト、レンドンが戻ってきた今年は大谷と勝負せざるを得ない。50本塁打は達成可能の数字ですし、本塁打王もおのずと見えてくると思います」(米国駐在の通信員)
昨オフに強化した肉体はさらに厚みが増しているように感じる。それは打球速度が証明している。「1番・DH」でスタメン出場した10日のアストロズ戦で三回に右翼線にエンタイトル二塁打を放った。報道によると、この時の打球速度が自己最速の119.1マイル(約191.7キロ)を記録。米スポーツ局「FOXスポーツ」でアナリストを務め、ツイッターのプロフィル欄に日本語で「大谷翔平大好き」とつづっているベン・バーランダー氏は「完璧なロケットビーム二塁打!」とうなった。
■チームの弱点は先発陣
投手・大谷としても今年はさらなる飛躍の年だ。昨季は23試合登板で9勝2敗、防御率3.18、156奪三振。2018年10月に右ひじ靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)を受け、19年は登板なし、20年は2試合登板に終わり、「二刀流挑戦」に懐疑的な声も聞かれたが、結果を出して不安を払拭(ふっしょく)した。