同記事の予想通りとも言えるだろう、この日のダルビッシュはその輝きを取り戻した。ブレーブス戦後の記者会見でダルビッシュは現地メディアに次のように語った。
「前回の登板は決して忘れない。まだ心に残っていたが、先発する今日までのブルペン(での状態)は良かった。この状態をマウンドに持っていければ大丈夫だと思っていた」
本人が言うように、この日は非常に状態が良かった。パドレスの同僚で捕手のオースティン・ノラも次のように証言している。
「今日はかなりストライクゾーン内に入っていた。ホームの両端への投球もできていた。角をうまく攻められていたので、打つのは困難だったろう」
制球が安定していたダルビッシュは圧巻のピッチングで過去0勝4敗と苦手にしていたブレーブスから初めて勝利を手にした。
現地メディアはダルビッシュへの評価を改め次のような賛辞を送った。
「ダルビッシュは8奪三振で輝かしい姿をみせた」(『ESPN』)、「ダルビッシュは元の姿を取り戻した」(『MLB.com』)、「パドレスのエース・ダルビッシュはシャープだった。恐ろしい結果を残した後としてはかなり堅実な復活だろう」(『ファンタジー・プロス』)、「ダルビッシュは輝いていた」(『ヤフー・スポーツ』)
ダルビッシュへの評価が覆った一方、「(開幕6回ノーノーと1回2/3で9失点)これら極端な2つの間のどこかに本物のダルビッシュがいるはずだ」(『MLB.com』)という興味深い見解もある。最初の2試合の内容が極端すぎるため、現地でも実は評価がしづらいようだ。メルビン監督によれば、ブレーブス戦前のダルビッシュは「開幕戦の時のような状態」だったようで、実際その通りの結果を残している。はたしてダルビッシュはこの好調な状態を維持できるだろうか。今後も引き続きその投球に注目していきたい。(在米ジャーナリスト・澤良憲/YOSHINORI SAWA)