AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けします。
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Q:運動部に所属しています。もうすぐ最高学年になりますが、後輩が一人辞めることになり、とてもショックで、今のままではいけないのかもしれないと思い始めました。周囲の人が相談しやすい人になり、楽しく参加できる部活にしなければいけないと気づき、今焦っています。風通しの良い雰囲気をつくり、友人や後輩を気遣い、心の変化に気づくにはどうすればよいのでしょうか?(女性/学生/21歳/おひつじ座)
A:4年生からバトンを渡される3年生の心構え、純粋にすごいなと思うし尊敬しかないです。僕は学生時代にそういう経験はできなかったから。
ご相談を読んで、「今焦っています」の言葉が目につきました。率直にいうと、焦っていること自体が、いちばん周りのためになるのではないかという気がします。
こういう話は、反対のことを考えてみるとシンプルに考えられます。例えば「この人に言っても無駄だな」「この人を中心にして組織が良くなっていくとは思えない」と思われるリーダーってどういう人なのか。周りから「この人は変わらない」と思われている人ではないでしょうか。
焦っている人は、周りの反応をちゃんと見ているし、多少ちぐはぐだったとしても周りのために何ができるかを考えています。焦っている人には伸びしろがあるんです。
だからあなたは大丈夫だと思います。後輩が辞めてしまったことについては、あなただけのせいではないと僕は思います。今の時節柄、みんなが以前よりも早い段階で次のことを考えなければいけなくなっています。状況の変化は避けられないし、その全部の責任を背負う必要はないんです。このことはぜひお伝えしたいと思いました。
今のあなたのままで十分だとは思いますが、風通しがいい組織のリーダーになるために、具体的にどういう姿を目指すのがいいか、一つだけアドバイスを送ります。
それは「質問される人」になるイメージを持つといいと思います。
「これどうすればいいですか」「先輩はどう思いますか」と周りから意見を聞かれる人は、信用されている人です。そうなるためには、周りの頑張りを見落とさないこと。それいいねとか、ありがとう、という言葉をこまめにかけるのがいいと思います。
卒業した上の先輩が口を出してくることもあると思いますが、スルーする力も必要。そういう話は聞くフリだけしておきましょう。責任は今の自分たちにあるのだから、自分が信じる道をやっていけばいいのです。
おひつじ座は、わりと慕われるリーダーが多いイメージです。威張らないし、「あの人を助けてあげなきゃ」と周りから思われる。
だから、逆に少しいじられるぐらいの自分を目指してもいいかもしれません。「え、これどういうこと? 難しいことわかんない」みたいなことを言って、バカになってみる。ほんのちょっとだけ計算が入っても大丈夫です。
◎しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気
※AERA 2023年1月23日号