天龍源一郎
ドロップキックといえば、俺が全日本プロレスに入団して1～2カ月くらいのころ、ハワイにあるジャイアント馬場さんのマンションの敷地内にあるプールでドロップキックの練習をさせられたことを今でも覚えている。リングでやると痛いからね。「プールサイドからジャンプして、キックをしてからクルっと回って、腹から落ちる練習をしてみろ」と言われて、50～60回はやっていたかな。ただ、プールがついているくらいのマンションだと、住民はオールドタイマーの方々が多くて「うるさいから、いい加減やめろ！」と怒られたけど（笑）。
馬場さんはハワイに行くとゴルフに行くのを楽しみにしていたね。日本でも地方に行くと、午前中にデストロイヤーと一緒にラウンドして、それから試合するくらいだったからタフだよね。ハワイではラウンドしないときでもゴルフショップに立ち寄っては、道具をずっと眺めていたよ。俺も一度ハワイでゴルフをやったことがあるけど、途中でボールが全部無くなってしまって、最後まで回らずに帰ってきた（笑）。
それから、馬場さんはラスベガスのカジノも好きだったね。アメリカ遠征でロサンゼルスに行くと、ラスベガスに寄って、カジノを楽しむんだ。奥さんの元子さんが「うちのお父さん（馬場さん）は、2日間寝ないでずっとカジノをやっているのよ」と言っていたことを思い出した（笑）。あちこちのテーブルでずっとやっていて「金遣いのいい日本人のババ」で有名だったよ。
俺らはアメリカ遠征に行っても、金がない時期だったからカジノは楽しめなかったな。日本テレビの収録で遠征するんだけど、嶋田家では「アメリカ遠征があるけど、持っていける金はどれくらいある？」って女房に聞くと「なんとか都合するから」って、持っていける金を算段するような状況だったからね。それでずいぶん後になって、そのことを日テレの人と話していたら「何を言ってるんだ？ 1日一人200～300ドルくらい出ているはずだぞ」って（笑）。そりゃあ、馬場さんも2日間寝ないでカジノに行くはずだよ。まあ、現地のレストランで飯を食うときに馬場さんが払っていたから、それで使ったと言われればそれまでだけど、それにしたって差額はあるはずだよね。おっと、これは悪口じゃないぞ。事実だからな！（笑）
天龍源一郎
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