ただし、国の経済的な成長だけが日米の年俸格差を招いているわけではない。メジャーリーグ機構は全国放送の映像を一括で管理しているという利点もあるが、いち早くネットで全チームの試合を視聴できる『MLB.TV』というサービスを立ち上げ、年俸高騰の大きな要因となっている放映権の価値を高めてきた。また、海外では米国に限らず、ネットでスポーツ中継を見ながらベッティングをしたり、ファンタジーベースボールというゲームを楽しむ文化もできており、これも放映権料を押し上げる要因の一つとなっている。
そういった意味でも米国はスポーツをビジネスに結びつけるのが上手いといえる。そして、シーズン前の労使交渉でも顕著だが、選手たちもその球団が生み出した利益を少しでも多く分配されるように地道な交渉をいとわない。こういったことが重なり、メジャーでは選手たちの年俸が上がり続けている。
今後もこのトレンドはなかなか変わらないように感じるが、やはり“夢”を売るプロ野球という職業なだけに、日本の選手たちの給料も上がって欲しいとも思う。