アイドルグループSixTONES(ストーンズ)のジェシーさんは、生まれながらのバイリンガル。2022年3月31日発売の『AERA English 2022』(朝日新聞出版)では、日本語でも英語でも高いコミュニケーション力を発揮し続ける秘訣を聞いた。
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184センチの長身をレモンイエローのスーツで包み、颯爽とスタジオにあらわれたジェシーさん。「お待たせしました!」と挨拶したかと思うと「じゃ、これで~」と帰ろうとする。ちょ、ちょっと待ってください!とあわてるスタッフに「なんてね、アハハハハ!」と破顔一笑。緊張気味だった場の空気が、あっという間に軽やかになる。「コミュ力のかたまり」と言われるジェシーさんらしいひとコマだ。
■飼い犬もぼくもバイリンガルです
アメリカ人の父と日本人の母を持つ。英語と日本語、両方の言葉が飛び交う中で「飼い犬もぼくもバイリンガル」に育ったと話す。夏休みは毎年のように米国ラスベガスにある父方の祖父母の家で過ごした。
「向こうでは1 カ月ずーっと英語。いとこと遊んでいたけど、多分ちゃんと通じていたんじゃないかな」
とはいえ学校に行けば日本語だらけ。英語力が落ちないようにと、父は日本のテレビを禁止して海外の番組だけを見せたそうだ。
「子どもながらに『はぁ?』って感じでしたよ。友だちの話題についていけないし、人気のアニメも知らない。同居していた母方の祖父母の部屋でこっそりドリフを見てました」
バイリンガルであるがゆえに、日本語社会の中で使われる英語に違和感をおぼえる場面もあった。中学校の英語の授業は苦手だったと笑う。
「be 動詞とか、え? 何?みたいな。普段使わない表現も多くて、へぇ、こんなふうに言うんだ、って。発音とかは多分いいはずだけど、テストには関係ないですから」
知らない言葉にも唐突に出合う。
「カタカナ英語が難しいんですよ。『エネルギー? あ、energyのこと?』みたいな。なんでエナジーじゃないんでしょうね。gas station をガソリンスタンドって言うのも、ある意味すごいアレンジですよね」