意識的か無自覚か、ところどころにボケや言いまちがいをはさみ、人の懐にポンと飛び込んでいくジェシーさん。でも「もともとは人見知りです。シャイでネガティブ」だと言う。ジャニーズJr. の頃は生放送でひと言も話せず、テレビに映らずに終わることも。当時はコンプレックスのようなものがあったそうだ。
「自分みたいなダブルはアイドルとして好まれないと思っていたし、最初から目立つ位置に立たされていたせいか批判もされた。でもあるとき、別にファンになってくれなくてもいい、ジェシーっておもしろいヤツだなって思ってもらえればいいやって割り切ったんです。親しい友だちの前で話すみたいに、テレビの前でもふざけちゃえって」
それは英語で話す場合でも?「同じですね。笑いの感覚ってそんなに変わらない。ぼく、ジム・キャリーが大好きなんですけど、映画の中で使われているジョークとかを借りて話すとおもしろがられますよ」
■失敗したっていいThat’s life.
アイドルだけでなく芸人やミュージシャンにも友だちが多いジェシーさん。人脈を広げるコツは?
「話したい人にはどんどん話しかける、それしかないですよ。初めて会う人の情報は事前に集めて、仕事や誕生日、海外の人ならその国の話題とか、とにかく話す。で、最後に『今度ごはん行きましょう』って連絡先を聞きます。いやらしくない程度に、っていやらしいか(笑)」
そんな場面で「英語っていい言葉だな」と思うことが多いそうだ。
「英語には敬語がないし、相手によって言葉を使い分けなくていいじゃないですか。人との垣根を取り払いやすいというか……ぼくは英語が好きですね。読者の方も、英語が話せる人にはどんどん英語で話しかけるといいと思う。緊張するしうまくいかないことももちろんあるけれど、必ず得るものがあるから」
失敗したとき、腹が立ったとき、ジェシーさんはいつもこう思う。 That’s life―それが人生。
「子どもの頃、『勉強したくない』とぼくが言うと、父はこう言うんです。That’s life, after do it. やるしかないって。いまも日々いろいろあるけれど、それもまた人生。ポジティブに笑っていくしかないよね!」
ジェシー
1996年東京都生まれ。SixTONESとして2020年にCDデビュー。22年3月に6枚目のシングル「共鳴」をリリース。声優として初めて挑んだ映画「SING/シング:ネクストステージ」(日本語吹き替え版)が全国で公開中。
(文/神 素子)
※『AERA English2022』から抜粋