続いて「通算の1試合2ケタ奪三振」が多い投手の「年間の1試合2ケタ奪三振」の回数だ。
【セ・リーグ】1955年、金田正一(国鉄)、12度/68年、江夏豊(阪神)、20度/89年、槙原寛己(巨人)、6度/91年、川口和久(広島)、8度/98年、石井一久(ヤクルト)、9度【パ・リーグ】1971年、鈴木啓示(近鉄)、12度/90年、野茂英雄(近鉄)、21度/2003年、松坂大輔(西武)、10度/08年、杉内俊哉(ソフトバンク)11度/11年、ダルビッシュ有(日本ハム)、14度
セ・リーグで最も多い「年間の1試合2ケタ奪三振」は、1968年の江夏の20度だ。これは「シーズン401奪三振」の日本最多記録を出した年で、37先発26完投している。パ・リーグ最多は、90年の野茂の21度で、27先発21完投している。
佐々木は、今季5試合登板で完投は1度だけだが、4度2ケタ奪三振をマークしている。100球がメドでもコントロールがよくて四球が少ない。年間の先発は24試合が目安だと考えても、完投しなくても10奪三振に届き、野茂・江夏に続く3位進出の可能性は高いのではないか。
「9イニング(1試合)平均奪三振率」という指標がある。要するに1試合(9イニング)投げたら、アウト27個のうち、三振アウトを何個奪えるかというものだ。
1990年、野茂英雄(近鉄)、10・99個(三振287、投球回235)/98年、石井一久(ヤクルト)、11・05個(三振241、投球回196.1)/2013年ダルビッシュ(米大リーグ・レンジャーズ)、11・89個(三振277、投球回209.2)/19年、千賀年滉大(ソ)、11・33個(三振227、投球回180・1)/22年、佐々木朗希(ロ)、15・00個(三振60、投球回36)(参考)
NPBではもう30年も前の記録になるが、野茂は新人時代にイニング数を上回る10.99個の奪三振率を誇った。これを1998年の石井や2019年の千賀が更新した。左投手の石井は若いころは150キロのストレートとカーブを中心に組み立て、ベテランになってからスライダーを織り交ぜた。石井以外の右投手は155キロ超のストレートと「フォークボール」で勝負するのが共通点で、佐々木と同じだ。現段階の佐々木は登板イニング数が少ないため、とてつもない平均奪三振率を誇るが、シーズン終了時に200イニング近く投げた場合、ダルビッシュをしのぐ12個台に到達するだろうか。