最近、浸透してきたK/BBという指標がある。「与四球(BB)一つあたりの奪三振数(K)」で、「3.50」を超えると、四球が少なく三振が多い、かなり優秀な投手といえるだろう。佐々木は参考ながら三振60、四球5の12.00で、現段階でかなり「四球が少なく三振が多い」。
【歴代1500イニング以上】上原浩治(巨人)、6.82(三振1972、四球289)/土橋正幸(東映)、4.61(三振1562、四球339)/田中将大(楽天)、4.60(三振2355、四球512)【2021年】大野雄大(中日)、4.54(三振118、四球26)/柳裕也(中日)、4.10(三振168、四球41)/山本由伸(オリックス)、5.15(三振206、四球40)/加藤貴之(日本ハム)、4.86(三振102、四球21)/則本昂大(楽天)、4.34(三振152、四球35)/田中将大(楽天)、4.34(三振126、四球29)/岸孝之(楽天)、3.85(三振131、四球34)
歴代1位は上原浩治で、辛口で知られた野村克也氏が上原の「外角低めへのコントロール、フォークボールを軸とした奪三振能力」を絶賛していた。実は上原のこの数字は驚異的で、日本球界断トツである。3位の田中を、その野村氏は「コントロール重視の技巧派」だと評し、一方、江夏は「繊細かつ大胆な投球で三振を取れる本格派」だと評した。2位の土橋は無四球完投試合を46度もマークしている。佐々木に抜かれるまで「9者連続奪三振」の日本記録保持者だった。2021年にK/BB「3.50」以上だった投手は打線との兼ね合いで勝ち星に結びつかないこともあったが、「3.50」以上の好投手はわずか7人だった。
佐々木の連続イニング奪三振記録は史上4位タイの25イニングで止まったが、今後どんな三振記録を残すか興味は尽きない。(新條雅紀)