写真はイメージ(GettyImages)
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 国ごとにワクチン接種率やコロナ感染対策に差はあるものの、新規感染者数の増減が同じような波を描くのは、大変興味深い現象です。季節性の変化があるかどうかは、これらかの流行の経過を見ていく必要があることは十分承知していますが、季節性の変化があるとすれば、日本では次は夏ごろに流行すると考えられます。過去の記録では冬より夏の流行は小さいようです。3回目の追加接種がまだの方は、予想される夏の流行に備えて7月までに接種を終えるといいのではないかと、私は考えています。

 さて、ゼロコロナ政策を行なっている国が存在する一方で、世界ではコロナ規制が相次いで緩和されています。例えば、イギリスやフランスでは、ワクチン接種証明書を提示すれば、出国前のPCR検査や抗原検査による陰性証明は必要ありません。東南アジアでも緩和の動きが進んでいます。カンボジアでは、ワクチン接種が済んでいる場合、入国後の隔離は不要、到着時の抗原検査も無くなっています。タイでは、2022年5月1日からワクチン接種を完了していれば、出発前および到着後のPCR検査が必要なくなりました。

 日本はというと、今年の3月1日以降、外国人の新規入国制限の緩和が実施されたものの、観光目的の入国は禁止したままです。現在、新型コロナウイルスワクチンの追加接種を終えていれば、日本国が指定するオミクロン指定国・地域以外からの入国であれば、入国時に陰性を認めれば、帰国後の隔離は免除されます。つまり、日本人であれば観光目的の海外旅行に行き、日本にまた戻ってくることができるけれど、日本人でなければ、観光目的では一切日本に入国ができないというわけです。

 日本各地の観光地は、多くの観光客で賑わっているようです。多くの人が飛行機や新幹線、鉄道や車を使い国内を移動している一方で、海外からの観光客は国内に入れないという規制の継続に矛盾を感じるのは私だけでしょうか。水際対策は、新型コロナウイルス感染症が国内に流行していない場合は有効です。しかしながら、対策を強化して阻止しようとしたオミクロン株もあっという間に全国に感染が拡大した今、もはや、厳しい水際対策は意味がありません。

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パーティションなど日本の科学的と思えない対策に疑問