お笑いコンビ「ジョイマン」の高木晋哉さん(撮影/中西正男)
お笑いコンビ「ジョイマン」の高木晋哉さん(撮影/中西正男)

 エゴサーチしたら山のように出てくるネガティブなワードをなんとか良い方向に使うことができないか。それを考えてやり始めたのが「ここにいるよ」だったんです。

「どこ行った?」という書き込みへのアンサーとして「ここにいるよ」と書く。「死んだ?」へのアンサーとして「生きてるよ」を返すようにしていったんです。

 そうしているうちに、徐々に空気が変わっていったんですよね。返すことで「本気で聞いてねぇよ」みたいに怒りで返してくる人もいるんですけど、それにもまた返していくと、どこかでそれがノリみたいになっていって、最後はとげとげしさがなくなっていく。 

 もちろん、誰かを根本から否定するような言葉を書いちゃってる時点で、そこに問題もあるんですけど、そういうことを書いている人も本気で思っているわけじゃないというか。

 ツイッターは特に文字数が限られている。その中で言い方がヘタな人もいる。一人一人に敬意をもってやりとりしてみると、僕がこの10年経験した中では、そんなに悪い人はいなかったんですよ。

 それが体感として分かってくると、より一層、コミュニケーションを取ることによってネガティブな感情も好きに変わるかもしれない。その思いが強くなっていって、草の根運動じゃないですけど、そこをより強くやっていくようにもなりました。

 そうこうしているうちに、テレビ出演や取材も増えていって露出も明らかに多くなりました。08年の露出が100とすると、今は50くらいまでは戻っていると思います。さらに、08年とは質が変わっているというか、洗剤のCMだとか、以前だったら絶対に入らなかったような仕事もいただくようになりました。

 僕ら的には、別に何も変わってないんですけどね(笑)。変わらずに同じことをやって、皆さんとの向き合い方も変わらずにやっていたら、いつの間にか、周りが変わっていたというか。

 いろいろ考えもしたんですけど、誹謗中傷に前向きに対応しようと思ったのは、ずっと聴いていたラジオの影響だったのかなと。

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