■鳥栖:松岡大起

 2001年6月1日、本県生まれ。優れた危機察知能力と高いボール奪取力で中盤を引き締める“和製カンテ”。高校進学とともに鳥栖U-18に加入。そこから急成長を遂げ、2018年に高校2年生ながら天皇杯でトップチーム初出場を果たし、翌2019年の3月にリーグ戦でもデビュー。同年6月にはクラブ史上初めて高校生でプロ契約を結ぶと、すぐに主力として活躍し、将来を嘱望されるスター候補の一人となった。2021年8月に清水に移籍したが、彼が「鳥栖育ち」であることに変わりはなし。近年、鳥栖の下部組織の充実ぶりは目覚ましく、ユース大会でタイトル獲得を続けるとともに、松岡以外にも田川亨介、大畑歩夢、中野伸哉と次々と有望株をトップ昇格させてきた。大学経由ではプロ入りした樋口雄太も成長を遂げており、今後も鳥栖ユースから多くのタレントが生まれてくることになるだろう。

■大分:西川周作

 1986年6月18日、大分県生まれ。攻撃的なセービングで見せ場を作るとともに、足元の技術と正確なフィードで攻撃の起点にもなる日本歴代屈指のGK。高校から大分U-18に入団し、トップ昇格1年目の2005年から正GKに抜擢されて奮闘を続けた。チームのJ2降格に伴って2010年に広島に移籍し、2014年からは浦和でプレー。日本代表としては、世代別で2005年のワールドユース、2008年の北京五輪に出場。A代表では2009年に初出場し、通算31試合に出場している。大分のユース出身には、梅崎司、清武弘嗣、松原健、岩田智輝といった代表経験者がおり、特に清武の才能は“最高傑作”と呼んでいいが、それ以上にJリーグでベストイレブン5回、優秀選手賞を7回受賞し、昨年4月には史上9人目のJ1出場500試合出場を達成した西川の実績を評価し、功績を讃えたい。

(文・三和直樹)