■広島:高萩洋次郎

 1986年8月2日、福島県生まれ。越境で入団した広島ユースで、前田俊介、森脇良太らとともに高校年代のサッカー界を席巻。その中で「ファンタジスタ」と称されると、高校2年生だった2003年11月にトップ昇格を果たし、16歳8カ月3日で当時の最年少出場記録を更新した。伸び悩んだ時期もあったが、2008年にJ2で14得点を挙げると、持ち前の天才的なパスセンスに加えて豊富な運動量で攻撃を活性化し、2012年、13年のリーグ連覇に貢献。2013年にはA代表にも選出された。その後、FCソウル(韓国)でも中心選手として活躍し、2017年に加入したFC東京でも非凡な才能を披露している。早くから育成型クラブを標榜して成果を残してきた広島は、森崎和幸、森崎浩司、駒野友一、前田俊介、森脇良太、柏木陽介、槙野智章とユースから数多くのタレントが世に出ている。その中で“最高傑作”を決めるのは非常に難しいが、「プレーの美しさ」で、高萩を選びたい。

■福岡:冨安健洋

 1998年11月5日、福岡県生まれ。日本が世界に誇る“パーフェクトディフェンダー”。中学から福岡の下部組織で鍛錬を重ね、主将を務めながら心身ともに成長。高校3年時の2016年にJデビューを果たすと、翌2017年にはDFラインのリーダーとしてJ2リーグ戦35試合に出場した。その後、2018年1月にシント=トロイデン(ベルギー)に移籍し、ボローニャ(イタリア)で評価を高め、2021年8月に名門アーセナル(イングランド)に加入。高さとスピード、技術と戦術理解度、DFに必要なものすべてをピッチ上で表現し、目の肥えたサポーターたちの信頼をすぐさま勝ち取った。日本代表では、2018年10月に19歳で初出場し、翌2019年のアジア杯での好プレーで地位を確立。今年のカタールW杯でも活躍が大いに期待される。その他の福岡ユース出身者には、田中佑昌、鈴木惇らがいるが、冨安の能力、実績と名声が、23歳にしてすでに圧倒的だ。

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