9232-2437 Quebec Inc - Parallel Films (Salinger) Dac (c) 2020 All rights reserved.
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 俳優シガニー・ウィーバー(72)が週刊朝日の独占インタビューに応じた。最新作「マイ・ニューヨーク・ダイアリー」は、文芸版「プラダを着た悪魔」とも評される。常に異なる役柄に挑み続けてきた彼女が考える文学、そして演技とは──?

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「エイリアン」(1979年)のエレン・リプリー役で強烈な印象を残したシガニー・ウィーバー。長身と知的な美貌でファンを魅了し、「ゴーストバスターズ」(84年)、「愛は霧のかなたに」(88年)など幅広い分野の映画に出演、いまも第一線で活躍する。

 米ニューヨークのマンハッタン出身。スタンフォード大で英文学を、イエール大演劇大学院で演技を学んだ。メリル・ストリープとはイエール時代の同級生でもある。最新作はニューヨークの出版界が舞台だ。作家を夢みる若きアシスタントの主人公を育て上げるベテラン上司マーガレットを演じる。

──シガニーというお名前は、本作でも触れるフィッツジェラルド作品に由来するそうですね。舞台も出身地のニューヨークですし、身近な世界と感じましたか?

「大学では文学を専攻したから、出版界との関わりもあった。作家を志望したこともあるけれど、演劇でやるコラボレーションが好きで、演技の道に進むことになったの。作家を心の底から尊敬している。思春期の頃は本の虫だった」

──本作の脚本を読んだときの第一印象は?

「とても魅力的だった。特にサリンジャーのファンの、作品に対する熱い思い入れに触れたあたりに感激した。若いときに本を読んで圧倒されることは、とてつもなく深い意味を持つものだから。そんな人たちとの関わりを避けたサリンジャーの存在を悲しくも感じた。本作は一人の女性が大人になることがテーマではあるけれど、若い女性と師匠のような上司との関係を描いた点にもひかれた。異なる世代の女性が、お互いに学び合い、最終的には友人となる。とても素敵な話だと思った」

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