ノノちゃん(提供)
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 ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、のノノちゃんです。

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 雄猫ノノ(写真)は16歳。若いころと変わらぬ巨体で窓枠にひょいと飛びつくように、老猫の自覚はみじんもなさそうだ。

 3兄弟の1匹として生まれたノノをもらい受けに行った時、迷いに迷った。どの子も同じような器量良しで、最後は「天の神様のいう通り」的な決め方になった。

 だが成長するにつれ、その子は抱っこと撫で撫でが大嫌い。足元スリスリとかひざに乗るなどもなし。ツンデレのツン100、デレ0の性格だったことが判明した。

 彼の示すコミュニケーションは二つ。「ご飯おくれ」のほかは「外に出して」だけ。

 この外への執着には、実は無理からぬ理由がある。わが家の隣には手付かずの原っぱと雑木林が続いていて、猫にとってはこの上ない別天地。侵入者に荒らさせるわけにはいかないのだ。

ノノちゃん(提供)
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 巡回を済ませたら落ち葉のじゅうたんで日なたぼっこ。この至福を一度知ったら、そりゃあやめられるわけがない。

 侵入猫との格闘でけがは3回負わされた。そのたびに獣医に注意され室内飼いを決意するが、あの強烈な「外に出して!」に根負けの繰り返し。ダメな飼い主ではあったが、大病もなく16年も共に過ごすことができた。

 最近「親ガチャ」という言葉を知った。生まれてくる子は親を選べないことを、くじのようなガチャになぞらえた言葉らしい。それでいうなら、こんな別天地付きの家にもらわれてわが道を行くノノは、飼い主ガチャ大当たりということになるのか。それとも運任せで連れ帰った子がまれに見る無愛想キャラだったおかげで、創作脳を刺激され、こんな投稿をしている私の猫ガチャが最強だったのだろうか。(高松市/74歳/主婦)

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週刊朝日  2022年5月6・13日合併号