一方の野手で明るい材料と言えるのがホームランの増加だ。昨年は二桁ホームランを放ったのが近藤健介(11本)だけで、チーム本塁打数はパ・リーグで最下位(5位だった楽天の108本に大きく引き離される78本)だったが、今年は一転してリーグトップの数字(33本)となっているのだ。そして、その内訳を見てみると新外国人のアルカンタラ以外は今川優馬(2年目・25歳)、清宮幸太郎(5年目・23歳)、万波中正(4年目・22歳)、野村佑希(4年目・22歳)といずれも今後チームの未来を担うとされる若手たちが上位に顔を並べているのだ。

 清宮と万波に関しては打率1割台とまだまだ確実性には課題が残るものの、今川と野村は打つ形が安定してきており、明らかな成長ぶりが見える。また清宮も四球(リーグ13位タイの12個)はチームでは近藤に次ぐ数字であり、打率と比べて出塁率が1割以上高いというのは大きなプラス要因だ。来年春から新たなホームグラウンドとなる予定の「エスコンフィールド北海道」は外野のフェンスが低く、現在の本拠地・札幌ドームと比べてもホームランが出やすくなると言われている。

 そんな新本拠地開場を前に、安定してホームランを量産できる選手の候補がこれだけ出てきているというのはチームの将来にとって何よりも明るい材料と言えるだろう。また伸び悩んでいる感のあった松本剛が突如ヒットと盗塁を量産して一気に殻を破りそうな雰囲気があり、大きな課題と言われていた捕手も宇佐見真吾が定着するなど、中堅を引き上げられていることも評価できるだろう。

 このように明るい材料も見えてきたが、優勝争いができるチームになるにはまだまだ戦力的に不足している印象は否めない。そうなると今後注目ポイントとなるのは“血の入れ替え”を行うかどうかだ。昨年オフには実績のある3選手を実質的な自由契約としたが、ドラフト以外の補強に関しては新外国人と先述した古川くらいで目立った動きはない。

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