左右の「ウイング」は激戦区といえる。伊東に続く右は、久保建英と堂安律の争い。久保には他の日本人にはないメンタリティーがあり、東京五輪で見せたような大舞台での強さも魅力になるが、堂安は代表漏れを経験してからオランダリーグで一気にギアを入れ替えたような活躍を披露しており、メンバー外にするのは非常に惜しい。一方、最終予選で「先発・南野」と「ジョーカー・三笘」の形が試合を重ねるごとに機能していった左は、中島翔哉の復帰や奥川雅也の抜擢を求める声があるが、ここまでの森保監督のチーム作りの流れを見る限りでは、浅野拓磨や前田大然のといったスピードタイプのFWがウイングとして起用される可能性の方が高そうだ。
現状ではオプションであるが、点を取りに行く際に必要になるであろう「トップ下」では、欧州カップ戦で躍動した鎌田大地の復権がありそうだ。だが、先述した森岡もトップ下が主戦場であり、南野も適正は左サイドよりもトップ下にある。“日本の至宝”である久保も、トップ下の方が多彩なプレーを表現できるが、現状では伊東と南野の控えであり、今後、堂安と鎌田が所属クラブでアピールを続ける傍ら、久保が来シーズンもベンチスタートの日々が続くようだと、ドーハ行きの飛行機に乗り遅れる可能性もある。
「最前線のFW」は、セルティックのスターとなった古橋亨梧が、大迫、上田に続く3人目としては有力。左サイドもこなせる点もメンバー入りへのプラス材料になる。同じく、前田大然のスプリント能力は非常に魅力的で、ドイツ、スペインを相手にした際の「前線からのプレッシング」においても必ず相手の脅威になる。そこに林大地や原大智のベルギー組、そしてJリーグで出色のプレーを続けている鈴木優磨が“サプライズ招集”されることはあるのか。いずれにしても、最終予選を戦った主要メンバーの中では、GKを除いて柴崎、旗手、久保、堂安、浅野、前田、鎌田、古橋が「当落線上」にあり、その中から最低2人は「落選」することになるだろう。