渡辺俊一(わたなべ・しゅんいち)医師。国立がん研究センター中央病院呼吸器外科長。2002年に同院に着任。15年から現職を務める
渡辺俊一(わたなべ・しゅんいち)医師。国立がん研究センター中央病院呼吸器外科長。2002年に同院に着任。15年から現職を務める

■医師に質問するときは、どんな聞き方がいいのか?

渡辺:次の質問は、「困った患者さんとはどんな人でしょうか?」「医師に質問する際には、どんな聞き方がいいのでしょうか。いろいろ聞くと、嫌われるのではないかと心配になります」というものですが、いかがでしょうか?

天野:まず、患者さんが最も困っていること、重いテーマに思っていることを解決する姿勢がない医師はダメだと思います。医療機関の「3分間診療」はよく言われますが、例えば「ここが痛いです」という患者さんの訴えに対して、その場では治せなくても、痛みを解決する方法を探すことは3分でできます。

 ほとんどの医療者はこのような姿勢で取り組んでいますので、患者さんの側で我慢したり、制限したりせず、伝える姿勢を持ち続けてほしいなと思いますね。

 また、われわれはこのような患者さんを困った患者さんだとは思っていないことも知ってください。きちんと治療成績を出している医療機関であれば、患者さんの情報(心配なこと、困っていること)をないがしろにできません。そのようなことをしていては、いい成績を出せないからです。つまり、患者さんの情報をきちんと取るという意味で、いろいろな質問をされて困ることはないはずなのです。

渡辺:がんと言われて本人も家族も不安になって、病気についていろいろと調べて来られるわけですから、質問に対してはしっかり受けとめる。専門知識を持つ私たち医療者側が適切に答えることが責務です。ですから質問ができないような雰囲気を作ってしまっていたとすれば、医療者に問題があると言えるでしょう。

■いい病院に行くためには、いい開業医を見つけることが第一

渡辺:最後に、「これから病院を選ぶ患者さんやその家族に伝えたいことは?」という質問です。

天野:大きな病院に行くには紹介状が必要ですから、まずは入り口である診療を含め、一連の手続きをきちんとやってくれる開業医、主治医を見つけることが第一です。具体的には紹介先の病院の実績を示してくれるとともに、紹介先に患者さんの病状を客観的かつ詳しく伝えてくれる開業医であること。いい開業医が推薦する病院は、おそらくいい病院だと思います。もちろん、私たち病院側も、「あそこはいい病院だ」と言ってもらえるように、努めなければなりません。

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避けたほうがいい医師の見極めポイントとは