山田さんの「NISAとiDeCo」は「6年やった結果」「7年やった結果」とシリーズ化され、最新の2021年版だけで99万回も視聴されている(2022年4月15日現在、以下同)。
「NISA(少額投資非課税制度)もiDeCo(個人型確定拠出年金)も制度開始直後から利用していたので、自分より長くやっている人はいないなと思って」
これまで再生回数が最も多かった動画は「税金が重くなる年収500万円以上の会社員のための節税ベスト5!」で188万回。領収書の電子化や「マイナポイント」を扱った動画も100万回再生を超えた。
山田さんはこの種の動画を「翻訳もの」と呼んでいる。領収書の電子化もマイナポイントも、正確な説明は国のホームページに掲載されている。しかし、そのままでは読みにくいし、素人にはよくわからない。そこで、公認会計士ユーチューバーの山田さんがわかりやすい言葉に翻訳するわけだ。
ファンが増えると新たなファンが生まれる好循環もネットの大きな特徴だ。山田さんはこれを「資産効果」と表現した。
ユーチューブのチャンネル登録者が増えると、拡散するスピードが速まり、再生回数もぐんぐん伸びる。登録者が10万人を突破すると増加ピッチはさらに上がり、ここ2年は月1万人のハイペースで増えている。
「動画の収益は閲覧回数で決まるので登録者数=報酬ではありませんが、ファンの数は信用度の目安にもなる。重要な財産だと思っています。
チャンネル登録してくれたということは、次のコンテンツも視聴したいというありがたいメッセージだと思うので、素直にうれしい」
閲覧回数による収益は2021年の1年間で約1000万円ほどだった。動画に手応えを感じた山田さんは大きな決断をした。
「雑誌の連載や本の執筆から、ほぼ手を引きました。連載や本の原稿はみなさんに読んでもらうために書いているのですが、すっかり反響が乏しくなって……。