もし中村が落球、または後逸していたら、その後の状況も変わっていたかもしれないが、最後までボールを離さなかった中村の執念が勝った。

 そして、2死無走者で、木村拓也が空振り三振に倒れ、巨人はストレート負けで日本シリーズ進出を逃した。「古城のあの走塁さえなければ……」と悔しがったG党も多かったことだろう。

 元メジャーリーガーであるにもかかわらず、思わず「野球のルール知ってるの?」とツッコミを入れたくなるようなトンデモ走塁を披露したのが、巨人時代のマギーだ。

 17年4月14日の中日戦、0対0の2回、巨人は先頭のマギーが遊ゴロエラーで出塁し、岡本和真の二塁打で1死二、三塁の先制チャンスをつくった。

 ところが、三塁走者のマギーは、次打者・小林誠司の投ゴロで大きく飛び出してしまう。打球を処理した大野雄大がすぐさま三本間に走って、タッチに行くと、なんと、マギーは帰塁を放棄したかのように、あさっての方角の三塁内野席に向かって逃げていくではないか。

 このようなケースでは、当然スリーフィートオーバー(野球規則7.08)が適用され、アウトになる。佐々木昌信三塁塁審がアウトを宣告したとき、マギーは三塁側カメラマン席の近くまで達していた。

 小学生の草野球レベルの“鬼ごっこ”は、ネット上でも「晩飯吹いたわ」「いくらなんでも逃げすぎやろ」etc呆れる声が続出し、大反響を呼んだ。

 さらに巨人は同年8月6日の中日戦でも、1点を追う9回1死一、二塁のチャンスに、坂本勇人の中飛で飛び出した一塁走者・重信慎之介が二塁を回っていたにもかかわらず、帰塁の際に二塁ベースを踏まなかったことから、アピールアウトになり、併殺でゲームセットという珍幕切れに泣いている。

 これまで紹介した3つの珍走塁が、いずれも同一カードの巨人vs中日という偶然も面白い。

 最後に登場するのは、ファンサービスのパフォーマンスで珍走塁を披露したソフトバンクのバティスタだ。

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阪神ファンを笑わせた“珍走塁”