そして今年もその勢いは変わらず、38試合で賞金総額は過去最高の42億9,600万円。海の向こうの米ツアーではこの比ではない莫大な賞金がかけられているが、現在の日本経済を考えると、女子ツアーの好景気は羨ましい限りだろう。

 では、これまで賞金女王はどのくらいの賞金を獲得してきたのだろうか。ツアー制度が施行されたのは1988年だが、記録を遡ると1968年に樋口久子が2試合で35万円を獲得していた。今では考えられない金額だ。賞金女王の獲得賞金が1,000万円を超えたのは49年前の1973年で、同じく樋口の1,262万7,000円。2,000万円を突破したのは1980年でこの時は2,359万4,744円を稼いだ大迫たつ子が女王になった。

 初の3,000万円超えは翌1981年の岡本綾子で3,233万3,456円。4年後になるとト阿玉(台湾)が36試合で7勝し、6,563万4,788円まで獲得賞金額を伸ばした。年間獲得賞金1億円の大台を初めて超えたのは2000年の不動裕理だ。不動はここから2005年まで6年連続で女王の座を守り切り、2003年には10勝して1億4,932万5,679円を荒稼ぎしており、当時の不動が無敵だったことを記憶しているファンも多いだろう。

 女子ゴルフ人気を象徴する年となったのが2015年だ。このシーズンのイ・ボミ(韓)は、7勝しツアーで初めて獲得賞金2億円突破となる2億3,049万7,057円を獲得。またこの年はイ・ボミを含め、6位の渡邉彩香まで6名が1億円を超える賞金を稼いでおり、ツアーの繁栄を映し出していた。

 そして昨年はシーズン9勝した稲見萌寧が史上最高となる2億5,519万2,049円を記録。3位の小祝さくらまでが2億円超えで、14位の渡邉までが1億円超えという歴史的なシーズンとなった。もちろんこれは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、シーズンが2年間にまたがったことが大きく影響している。とはいえ、14人が大台を超えているのはツアーが順調に発展している証左と言えるだろう。

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膨れ上がる女子ゴルフの賞金額