テレビで、ラジオで、ウェブで。あらゆるメディアで話題を振りまいている、フリーランスのテレビプロデューサーとして活動する佐久間宣行さん。フリー転身後初となる著書のテーマは、自身の経験をもとにした仕事術だ。AERA 2022年5月30日号の記事を紹介する。
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──昨年3月にテレビ東京を退社して以降、フリーランスのテレビプロデューサーとして活動する佐久間宣行さん(46)。
「ゴッドタン」「あちこちオードリー」などの人気番組を継続して担当するかたわら、昨夏に開設したYouTubeチャンネル「佐久間宣行のNOBROCK TV」が登録者数45万人を突破、今春にはバラエティーとドラマが融合したNetflix発の新感覚コンテンツ「トークサバイバー!」を手掛けるなど、その一挙一動にますます注目が集まっている。
そんな中、フリー転身後初となる著書『佐久間宣行のずるい仕事術』を上梓した。仕事への向き合い方について綴った、ド直球のビジネス書だ。この意外ともいえる一手に「僕自身、ビジネス書を書くなんて少し前までは想像もできなかった」とはにかむ。
佐久間:ここ数年、インスタグラムに仕事に関する悩み相談のDMが届くようになって。みんなやりたいことはあるけど、人間関係で身動きが取れなくなっていたり、仕事の面白みにたどり着く前に潰されちゃったりしているんですよね。
それで、少しでも役に立ちたいなと僕なりの考えを返信していたんですけど、「オールナイトニッポン0」を始めたあたりからDMの数が増え過ぎちゃって。これはまずいぞと思っていた時に出版のオファーをいただいたので、本にまとめることにしたんです。
■62のサバイバル術
──仕事術、人間関係、チーム、マネジメント、企画術、メンタルの全6章からなる本書。「僕はこうして会社で消耗せずにやりたいことをやってきた」という副題のとおり、佐久間さんがテレビ東京の中で22年間にわたって実践してきた62のサバイバル術が克明に語られる。
佐久間:読んでくださった方たちの感想を見ると、年代や立場によって刺さる部分が違うんです。20代は「人間関係のところを読んで頭の中が整理できた」、30代は「メンタルの話にグッときた」という声が多い。マネジメントのところは僕と同じ40代、あるいはもっと上の世代の方が「すごく参考になる」とおっしゃってくれます。
あと、心を病んで休職されている方から「もう復帰できないかもしれないと思っていたけど、この本を読んで戻れる気がしてきました」とDMをいただいたりもしました。うれしかったですね。