韓国の尹錫悦大統領
韓国の尹錫悦大統領

 出国前には、これまた電気自動車(EV)の工場建設などで米国に105億ドルも投資してくれるという現代自動車グループの鄭義宣(チョン・ウィソン)会長と通訳なしで歓談し、会見でも謝意を述べた。バイデン氏のここまでやるかという韓国ヨイショは、日本も韓国に負けないくらいの貢献をして欲しいというバイデン氏からの強烈なメッセージとなった。

 韓国は、今回軍事面で特に大きな貢献策を示さなかった。それでもアメリカには十分に恩を売れたのだ。中国が軍事上最も嫌がるTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の追加配備にも言及せずに済んだ。中国の報復を恐れていた韓国経済界は大喜びだという。米国の歓心を買うために軍事で対米完全追随を宣言するしか手がなく、その結果、中国との抜き差しならない対決の一本道に追い込まれた日本とは対照的である。

 日本は、いくら軍事費を拡大してもこの道から抜け出すことは出来ない。今こそ、産業復活に全力を挙げ、非軍事で世界平和に貢献すべきだ。さもなければ、やがて米国の奴隷として国民が血を流す日が来るだろう。

週刊朝日  2022年6月10日号から

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古賀茂明

古賀茂明

古賀茂明(こが・しげあき)/古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。近著は『分断と凋落の日本』(日刊現代)など

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