他にも、大の大谷ファンで知られるFOXスポーツのアナリスト、ベン・バーランダー氏は、自身のポッドキャスト番組『フリッピン・バッツ』で、「(大谷は)サイ・ヤング賞を取ってもおかしくないです。彼はそれにふさわしい投球をみせている」と大絶賛。実際、5月28日現在の『ベガス・インサイダー』のサイ・ヤング賞(ア・リーグ部門)予想オッズで、大谷は5位タイ(倍率は10倍)につけ、識者のみならずファンからも高く評価されている。
投手・大谷がこれだけ評価されているのは、制球力と球速のアップが一番の理由だろう。例えば、制球力については今季3勝目を挙げた5月5日の敵地ボストンでのレッドソックス戦が有名だ。この日、大谷は投じた99球81球がストライク(ストライク率81.8%)という抜群の制球力で、7回6安打0失点0四球、11奪三振と快投。今季は特に四球の減少が著しく、「大谷は今年、1試合につき2つ以上の四球を与えていない」(『FOXスポーツ』)とも言われている。
また、球速は「今年の大谷はすべての球種で平均速度が上がっている」(『オレンジカウンティ・レジスター』)と指摘されている。特に印象的なのは、5月22日の敵地テキサス・レンジャース戦。この日のストレートは平均球速が98.6マイル(約158キロ)で、その前の試合(11日)より2マイル以上も上がっていた。さらに、大谷は同試合で100マイル(約161キロ)超えの速球を8球も投じ、うち2回は今季最速100.8マイル(約162.2キロ)を計測した。
開幕前、エンゼルスのペリー・ミナシアンGMは「(大谷は)一段上のレベルに達している」と大々的に公言していたが、その言葉通り大谷は驚きの進化を遂げていた。
打撃についても、5月中旬からは目を見張るものがあった。5月14日、敵地オークランドでのアスレチックス戦で放ったメジャー通算100号本塁打(今季7号)を皮切りに、翌15日には、今季二度目となる2試合連続本塁打。さらに、5月22日の本拠地アナハイムでのアスレチックス戦では、日米通算150号かつ今季最長443フィート(約135メートル)の特大のメモリアル弾(今季第9号)、そして29日の2打席連続弾など、どれもインパクトある結果を残している。