6月18日のリーグ戦再開以降、神戸が期待通りに白星を積み重ねていった場合、現在17位・湘南(勝点13)と16位・清水(勝点13)の2チームは非常に苦しい状況に追い込まれる。湘南は第15節で王者・川崎を4対0で撃破したことで自信をつかみ、清水は5月30日に平岡宏章監督との契約を解除して危機感を共有して浮上のキッカケにしたいところ。そして退団したルキアンの穴を埋められていない15位の磐田(勝点15)も1年での即J2逆戻りの危機にあり、さらに14位の浦和(勝点15)、13位のG大阪(勝点17)もなかなか調子が上がらず。夏場の戦いに失敗すれば、かつて“ナショナルダービー”とも称された2チームによる残留争いが展開される可能性もある。
それでなくとも、例年以上に今季は上位と下位の力の差を感じない。18チーム編成の残留の目安となる「勝点30」のラインが上昇し、史上稀に見るハイレベルな残留争いとなった2018年(17位の柏が勝点39で自動降格)に匹敵する予感も漂う。そうなれば、34試合中16試合を終えて勝点19の福岡、勝点20で並ぶ京都、名古屋、札幌も安心できる立場にはない。まずは約3週間のリーグ戦中断期間を有効に使い、チームを再整備できるかどうか。その意味でも再開初戦の戦いは非常に重要。史上初の冬開催となるW杯カタール大会の影響で、今季のJ1最終節は例年よりも1カ月早い11月5日に組まれている。「まだ6月」だと、悠長に構えてはいられない。(文・三和直樹)