ここで一つ、大事なことがある。せっかく空けた脳の容量に、イライラやTo doを入れないことだ。使いすぎて熱を持ったパソコンを切るように、意図的に思考を止めるといいという。

「コロナ禍で在宅ワークが増えた人は、以前に比べて仕事とプライベートの境目が曖昧になっているでしょうし、徐々に社会が“正常化”に向かっているとはいえ、以前ほど自由にスポーツや旅行を満喫できない今、それらに代わるリラックス法を脳が求めています。汚れていたものがきれいに片付いて達成感を味わう、さらに瞑想効果も得られるという意味では、家事もその一助になるかもしれません」

 あのビル・ゲイツもジェフ・ベゾスも、毎日皿洗いをすると言われている。瞑想の一種を活用した皿洗いでストレスが減り、インスピレーションなどポジティブな要素が増えたとする米・フロリダ州立大の研究成果もある。家事には想像以上の効能が隠れているのかもしれない。(AERA dot.編集部・金城珠代)