「韓国ではドラマ『わかっていても』でハン・ソヒが着用していたり、俳優のスジが持っていたりと、SNS経由で人気になりました」
東京・神保町にある韓国書籍の専門店「チェッコリ」にも足を運んだ。20坪ほどの店内には、文芸を中心とした韓国語の書籍が3500冊、翻訳書など日本語の本が500冊ほど置かれている。
『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ著)で「K文学」は日本でも一気に広がったが、『私は私のままで生きることにした』(キム・スヒョン著)などのイラストエッセイも人気だ。さらに絵本ならハングルが読めなくても、装丁やデザインに凝ったものが多く、眺めるだけでも楽しめる。
広報担当の佐々木静代さんによると、チェッコリは新しい出会いの場にもなっている。
「K-POPのライブ前にチェッコリへ寄ってくれる方も多いんです。店内でファンの方たちが『あなたもライブに行くんですか?』と盛り上がることがたびたびありますよ」
■セルフで撮る写真館
最後に、韓国好きの友人2人を誘い、「セルフ写真館」を訪れた。韓国では写真スタジオに行ってセルフで写真を撮るのが流行しているという。プリクラに行く気軽さでクオリティーの高い写真が撮れる。しかもモノクロで撮るのがトレンド。日本でもあちこちにセルフ写真館ができている。
スタジオにはあらかじめ背景紙やライト、カメラなどがセットしてあり、利用者がリモコンでシャッターを押す。友人やカップル、家族などが誰にも邪魔されず、思い思いに写真を撮ることができ、写真データはその場でスマホに送信してくれる。
自撮りすらほとんどしない私たちは、ポーズを考えるのも一苦労。だけどこれ、すごく楽しい! ふと、足りなかったのは韓国だけじゃなくて、こんな友達との時間だったんだな、と気がついた。(編集部・大川恵実)
※AERA 2022年6月6日号