帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
帯津良一(おびつ・りょういち)/帯津三敬病院名誉院長
この記事の写真をすべて見る

 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。老化に身を任せながら、よりよく老いる「ナイス・エイジング」を説く。今回のテーマは「私にとって名誉とは」。

*  *  *

【功績】ポイント

(1)私の肩書には名誉が二つついているが、この意味は

(2)著書や講演では病院や協会に貢献できたかもしれない

(3)楊名時先生が著書に書いてくれた内容が何よりの名誉

 私の病院での肩書は名誉院長です。日本ホリスティック医学協会からも名誉会長の肩書をもらっています。肩書に名誉が二つもついているのです。この名誉とはどういう意味なのだろうかとふと思いました。

 広辞苑には「功績をたたえて、ある地位や職を形式的に贈るとき、その地位や職名の上につける語」とあります。なるほど、功績があって、もらえる肩書なのですね。しかし、病院や協会で功績があったかというと、心もとないのです。

 病院は1982年に開院して以来、20年ほど院長をつとめましたが、自分には経営能力がないので友人を事務総長に迎え、経営の全てをまかせました。さらにその後、別の友人が大学教授を定年退職したので院長を引き受けてもらったのです。

 ホリスティック医学協会は設立メンバーのひとりで、2代目会長を2015年まで18年間つとめました。18年間はいかにも長い。そしてその間、協会に貢献したかというと、理事会には出席できないことが多かったし、出席してもリーダーシップをとるということはありませんでした。

 振り返ってみて、私が病院や協会に貢献したとしたら、著書や講演で、帯津三敬病院の名前を広めたり、ホリスティック医学の普及につとめたりしたということでしょうか。著書は多い時で年間12冊ぐらい出しましたし、講演も年間100回ほどしたことがあります。

 そもそも、私にとって名誉とは何かと考えてみました。すると、こちらも心もとないです。

次のページ