日本ハムが出ていくことで最も影響があるのが広告収入だという。プロ野球の試合は地上波での中継は減り、CS放送やネット配信へと変わっているが未だにファン自体は他のスポーツに比べ多い。広告の効果は絶大であり、日本ハムがいたからこそ広告を出稿していた企業もあるだろう。

「日本ハムの新球場移転とともに札幌ドームとの契約を解除し、新球場へ広告を出稿するクライアントも出てくるはず。今回札幌市は5年計画での事業プランを発表していた。仮に現在、札幌ドームと長期契約を結んでいても5年あれば契約満了になる企業もあるはず。現状では代わりの新規クライアントが簡単に見つかるとは思えない」(大手広告代理店関係者)

「ビッグボス新庄剛志監督の今季年俸は推定1億円だが、オフからのテレビ出演、CM、グッズ売り上げ等で年俸分は既に回収したとされる。プロ野球のネームバリューはそれだけ大きい。それなのに日本ハムが出ていっても大丈夫と言えるのか」(経済誌フリーライター)

 今後の“柱”として期待されるJリーグのコンサドーレ札幌も決して裕福なクラブではない。札幌市から日本ハム同様の不利な条件を提示されればこのまま安泰とはいかないだろう。またプロ野球と異なりJリーグには下部リーグへ降格という危険性もあり、チーム自体の経営規模が年ごとに大きく変わる可能性もある。

 スポーツ以外の使用としては、ドーム内を幕で区切り2万人規模でのライブ開催を可能にする「新コンサートモード」導入も強調された。料金設定を含む札幌ドーム条例の改正も進んでおり、音楽イベントの北の聖地にすると鼻息も荒いが……。

「コンサドーレの原点は厚別公園競技場であることを考えればドームに固執する必要性もない。そして万が一、J2等へ降格となればドームを使っている場合でもなくなる。また音楽界では以前からドームはお客さんが集まらない魔の地としても有名。コロナ禍を通じリモート鑑賞が浸透したこともあり中途半端なライブ会場などは集客に苦労している。前途は明るくない」(北海道テレビ局関係者)

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札幌ドームは“生き残れる”か?