青木さやか(あおき・さやか 左)/1973年生まれ。タレント、俳優。「どこ見てんのよ!」のキレギャグが流行。著書に『厄介なオンナ』など/和田秀樹(わだ・ひでき)1960年生まれ。東京大学医学部卒業。医師。和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
青木さやか(あおき・さやか 左)/1973年生まれ。タレント、俳優。「どこ見てんのよ!」のキレギャグが流行。著書に『厄介なオンナ』など/和田秀樹(わだ・ひでき)1960年生まれ。東京大学医学部卒業。医師。和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学教授(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)

■言いたいことを言って

──いじる人とは、どう接すればいいのでしょうか。

青木:難しいなと思うのは、近しい人からいじられるときですね。私は「その人のことはとても好きだけど、このいじり方は嫌だ」と思いながら付き合っていることがあります。でも、笑いを提供するって、仕事でもプライベートでもすごく重要だと思うんです。私は、何か嫌だなと思うんだけど、その場が重たくならないようにしたくてなんとなく笑いを交えながら自分の意見も言う、みたいなことをしているのですが、なかなかうまくいかないですね。場がちょっと沈む感じになります。本人に向き合って「嫌なんですよ」って言うのも違うんじゃないかと。

和田:違わないですよ。いじる側は、嫌な思いをさせるつもりがないことが結構多いから。僕は、逆に伝えたほうがその後のコミュニケーションが良くなるんじゃないかと思います。

青木:そうなんでしょうけどね。「そんなことで」って思われるんじゃないかなと。

和田:そう思われたっていいじゃない。年齢を重ねたら、ある時期から友だちは整理したほうがいいと思います。はっきり言いたいことを言って、離れていかない人と付き合っていけば、後々楽になると思います。業界で、この人に嫌われたらまずいなっていう人はいると思うけど、それだけはしょうがないから地雷だと思って我慢する。でも、残りの人間関係はどうでもいいんじゃないでしょうか。

青木:いじりをなくそうみたいな風潮があると思います。先生はどう思いますか。

和田:例えば、あだ名で呼ぶのは絶対だめ、みたいな過度な「いじり禁止」はどうかと思います。今思えば僕は発達障害でしたから(人の気持ちを理解するのが苦手で)、言っちゃいけないことを言って場の空気を壊したり、相手をばかにしたりして逆にいじめられていました。ただ、あまりひどいいじりはだめです。本人が気にしていることをいじるのは、だめだと伝えたほうがいいです。背が低いとか国籍だとか、そういう変えられないものをいじるのは差別です。

和田秀樹さん(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)
和田秀樹さん(撮影/写真映像部・戸嶋日菜乃)

(構成/編集部・井上有紀子)

>>前編/青木さやか「容姿いじり」に傷ついていた 和田秀樹と語る「いじめ」との境界線

AERA 2022年6月13日号より抜粋

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