「もう放送がスタートしていますが、『ザ・タクシー飯店』(水曜深夜1時)は、テレ東が得意とする食事モノ。町中華と主演の渋川清彦の組み合わせは見ちゃいますね(笑)。『雪女と蟹を食う』(金曜深夜0時12分)主演の重岡大毅の俳優としての魅力にも注目です」(吉田さん)
「『晩酌の流儀』(金曜深夜0時52分)は、栗山千明がいかにおいしく晩酌できるかを追求する作品ですが、時間帯的にも、一緒に飲みながら見るのは楽しそうですね。乃木坂46・与田祐希主演の『量産型リコ─プラモ女子の人生組み立て記─』(木曜深夜0時30分)は、女子がプラモデルにハマっていくというテーマの扱いが新鮮で、どんなドラマになっていくのか楽しみです」(碓井さん)
■ドラマ夏枯れ説 逆にメリットも
ところで、夏ドラマは視聴率が振るわない傾向があるとされ、「夏枯れ」などと呼ばれることもある。夏・冬は行事や外で遊ぶ人も多く、テレビを見る人が少なくなるため、春・秋ドラマと比べて制作側に力が入っていない、という説もささやかれたことがあった。碓井さんは今も少しその名残はあると指摘しつつも、夏ドラマの楽しみをこう語る。
「その分、メインキャストやテーマで王道を行かず冒険できる面もあるので、思わぬ発見があったりするのも楽しみのひとつです」
一方の吉田さんは、夏ドラマの舞台設定から、かつてのような季節感が薄くなってきたと語る。
「ビーチを舞台にしたものなど、わかりやすく季節を感じさせるドラマが少なくなってきました。配信などでいつでも見られることで、わざわざ季節を意識した設定にしなくてもよくなってきたからかもしれません。ゲリラ豪雨に土砂災害、熱中症も増えるし、コロナもまだ心配。夏場は現実がそれどころじゃないから、逃避したいのでは」
配信に限らず、SNSなどの存在によっても、ドラマの視聴スタイルは大きく変わってきているようだ。ある放送作家はこう言う。