今年2月の北京五輪フィギュアスケート女子で、当時15歳のカミラ・ワリエワはフリーでミスが相次ぎ、演技後に顔をゆがめた
今年2月の北京五輪フィギュアスケート女子で、当時15歳のカミラ・ワリエワはフリーでミスが相次ぎ、演技後に顔をゆがめた
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 フィギュアスケートで主要国際大会に出場できる年齢が15歳から17歳になる。その理由は何か。次の2026年冬季五輪にどんな影響があるのか。AERA 2022年6月27日号の記事から紹介する。

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 国際スケート連盟は6月7日の総会で、「まだ体が発達途上の選手が、4回転などの高難度ジャンプを練習することの身体的・精神的負荷」を理由に挙げて年齢制限引き上げ案を採択した。賛成100票(反対16票、棄権2票)で3分の2を上回り可決。日本も賛成票を投じた理由を、竹内洋輔フィギュアスケート強化部長はこう説明した。

「強化方針に変わる部分が出てくるし、シニアへのアプローチも変わる。しかし、選手の発育や障害予防の観点から賛同した」

 2022~23年シーズンは現行の15歳だが、23~24年シーズンは16歳、24~25年シーズンから17歳になる。そのため26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪の出場資格は、「25年7月1日時点で17歳」となった。

10代で引退する選手も

 年齢制限が話題になったのは、今回が初めてではない。女子は1994年リレハンメル五輪以降、06年トリノ五輪の荒川静香(当時24)を除いてすべての金メダリストが10代。これは体が未発達で細い選手のほうが軽々とジャンプを跳べることが影響している。

 幼少期の過度な練習でけがをしたり、体脂肪が増える10代後半にスランプに陥ったりして、10代で引退する選手も多い。18年平昌五輪では、当時15歳のアリーナ・ザギトワ(ロシア)がすべてのジャンプを演技後半に跳ぶ作戦で優勝。直後の総会でも「17歳案」は提案されたが、採決には至らなかった。

 しかし、今回は違った。22年北京五輪で、15歳で出場したカミラ・ワリエワ(ROC=ロシア・オリンピック委員会)はドーピング違反が発覚したものの、スポーツ仲裁裁判所から「16歳未満の要保護者にあたる」ことを理由に出場を許可されて暫定の4位に入った。その判断が物議を醸し、本来の議論とは違う要因ではあるものの、17歳案が世論の後押しを得た。

 4回転を幼少期から跳んでいる女子のほとんどがロシア勢であるため、17歳以上になった場合に最も影響を受けるのはロシア。総会ではこう反発した。

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