もう1人、球界を代表するエース右腕・田中将も白星から遠ざかっている。24日の西武戦に先発したが、2本のアーチを被弾するなど6回4失点で今季7敗目。日米通じて自己ワーストタイの6連敗を喫した。今季11本の被本塁打はリーグワースト。6月17日のソフトバンク戦ではNPB自己ワーストとなる4被弾で5回12安打7失点KOを喫した。今季12試合登板で4勝7敗、防御率2.92。今年はパリーグの投手部門で5人の投手が防御率1点台をマークし、「投高打低」が顕著であることを考えると、田中の防御率が良いとも言えない。
他球団のスコアラーはこう分析する。
「勝負球のスプリット、スライダーが甘く入ってスタンドに被弾される場面が目立つ。ただ、菅野と違って直球は走っていますし、スタミナもあるのでゲームメーク能力は高い。日本球界に復帰した昨年は4勝止まりだったが、投球内容を見れば2ケタ勝ってもおかしくなかった。今年も微調整すれば後半戦は白星を重ねる可能性が十分にある」
球団史上初の日本一を達成した13年に24勝0敗1セーブ、防御率1.27を達成し、ヤンキースでも6年連続2ケタ勝利と菅野以上にズバ抜けた実績を持つ。こちらも勤続疲労が懸念されるが、直球は力強さを取り戻しており、過度な心配は無用かもしれない。
オリックス・山本由伸、ロッテ・佐々木朗希と若い力が躍動しているが、球界を長年支えてきた2人も後半戦は意地をみせてほしい。(梅宮昌宗)