激化するばかりの中学受験。直近2022年入試では、首都圏で過去最高の受験者数と受験率に達しました。しかし、これはまだ序の口かもしれません。本番までおよそ10カ月となった23年入試はもちろん、小学校1年生が中学受験を迎える頃まで中学受験熱が高まり続けるとみる塾関係者は少なくありません。片や、関西や東海エリアにも中学受験ブームが本格到来しています。受験者増とコロナ禍の影響で、学校選びが格段に難しくなる中、後悔しない中高一貫校と塾はどこなのでしょうか。中学受験以上に過熱する小学校受験を含めて、大解剖します。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
史上空前の中学受験ブームが到来へ
大手塾の模試受験者層に起きている異変とは?
首都圏の中学受験が、異次元の世界に突入した。
直近2022年入試の首都圏の受験者数は、私立中学と国立中学を合わせて5万1100人だった(首都圏模試センター調べ)。これは31年前の1991年(5万1000人)を上回り、史上最多の人数だ。当然、22年入試の受験率も高く、17.3%と初めて17%を突破した。
公立中高一貫校の受験者を含めた日能研のデータでも、受験者数は6万2400人と前年から700人増え、受験率は21.1%に達した。受験者数・受験率共に09年に次ぐ過去2番目の水準だ。特に東京都の受験率は30.8%と、30%の大台を突破した前年をさらに0.2ポイント上回った。
当然ながら、子どもたちの“椅子取りゲーム”は一層激化している。男子の合格率(総定員÷受験者総数)は22年入試で80%台前半にまで落ち込み、女子も合格率が急落して100%割れが目前に迫る。
そして、この中学受験の過熱の裏で、学校選びにも異変が起きている。