認定NPO法人「難民支援協会」支援事業部マネージャーの新島彩子さんも、こう述べる。

「母国での戦争や何らかの迫害を受け住めなくなり日本に助けを求めて来るのは、ウクライナの人もどの国の人も同じ。支援に差があってはいけないと思います。命に、どの国や地域で生まれたかは関係ありません」

 6月1日、「ウクライナ避難民保護」を理由とする入管法改正に反対する記者会見が都内で開かれた。弁護士らとともに会見した、イラン出身で3回目の難民申請中のサファリさん(53)は、マイクを手に訴えた。

「日本政府は、ウクライナには関心があっても私たちに関心を示さない」

イラン出身で、現在3回目の難民申請中のサファリさん(53)。「ウクライナ人も難民、自分たちも難民」と訴えた。6月1日、都内の会見で(撮影/編集部・野村昌二)
イラン出身で、現在3回目の難民申請中のサファリさん(53)。「ウクライナ人も難民、自分たちも難民」と訴えた。6月1日、都内の会見で(撮影/編集部・野村昌二)

 31年前、祖国での迫害を逃れ来日した。難民申請しているが認められず、入管への収容と仮放免を繰り返し心身に著しい不調をきたしている。他の難民申請者も、命が危ないから国に帰れない。それなのに日本政府は私たちを切り捨てるつもりなのか、本当にひどい──。最後に絞り出すようにこう言った。

「私たちも人間です」

(編集部・野村昌二)

AERA 2022年7月18-25日合併号

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