鈴木由紀子、凱士(左、16歳、ダウン症・自閉症)
<br />【夢】家族で海外旅行
<br />【障害がわかったときの気持ち】この子の前途が多難なのでは、と案じて一瞬涙しました。実は多難というのはまわりが勝手に思うことで、本人は天真らんまん、楽しく生きている。楽しかったらそれでいいじゃない
<br />【いまの気持ち】大きな病気もなく、元気に成長してくれてうれしい。楽しく過ごしてくれて、ありがとう。でも、こだわりは少なく、声は小さく! お願いします
<br />(撮影:葛谷舞子)
鈴木由紀子、凱士(左、16歳、ダウン症・自閉症)
【夢】家族で海外旅行
【障害がわかったときの気持ち】この子の前途が多難なのでは、と案じて一瞬涙しました。実は多難というのはまわりが勝手に思うことで、本人は天真らんまん、楽しく生きている。楽しかったらそれでいいじゃない
【いまの気持ち】大きな病気もなく、元気に成長してくれてうれしい。楽しく過ごしてくれて、ありがとう。でも、こだわりは少なく、声は小さく! お願いします
(撮影:葛谷舞子)
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 写真家・葛谷舞子さんの作品展「life~笑顔のカケラ~」が9月17日から東京・富士フォトギャラリー銀座で開催される。障害児とその親たち計29組の親子ポートレートという異色の作品を発表した葛谷さんに、その思いを聞いた。

【葛谷舞子さんの作品はこちら】

*   *   *
■障害のある子は心のよりどころ

 横浜市の日吉駅に近い住宅地にある写真スタジオ「Photostudio-Home」。障害児やその親たちに恩を返していきたい――そんな思いから葛谷さんがこのスタジオを建てたのは8年前。今では、多くの障害のある子とその親が、親子写真を撮りにこのスタジオを訪れる。

 葛谷さんが障害児を撮り始めたのは大学3年のとき。

「出生前診断が波紋を呼ぶ」。そんな見出しの新聞記事が目にとまった。

 出生前診断というのは胎児のDNAを調べる検査で、ダウン症のほか、脳や心臓の異常などがわかる。

「胎児がダウン症とわかると9割の人が中絶する、と書かれていて、すごく衝撃を受けた」

 そう言うと、葛谷さんは保育園に通っていたときの思い出を話し始めた。

齊藤由美、菜桜(左、16歳、ダウン症)
<br />【夢】みんなが笑顔になれるモデルになりたいです(菜桜)
<br />【障害がわかったときの気持ち】「人生もう終わった」と思いました。これからどうしよう? 育てる自信もない、私は無理……夢であってほしいと、毎日毎日泣いていました
<br />【いまの気持ち】つらいこと、苦しいこともたくさんあるけど、がんばっている菜桜は、すごいよ! 偉いよ! Angel★Smile いつも笑顔いっぱいの菜桜が大好きだよ! 菜桜の夢、母は全力でサポートするからいっしょにがんばろうね!
<br />(撮影:葛谷舞子)
齊藤由美、菜桜(左、16歳、ダウン症)
【夢】みんなが笑顔になれるモデルになりたいです(菜桜)
【障害がわかったときの気持ち】「人生もう終わった」と思いました。これからどうしよう? 育てる自信もない、私は無理……夢であってほしいと、毎日毎日泣いていました
【いまの気持ち】つらいこと、苦しいこともたくさんあるけど、がんばっている菜桜は、すごいよ! 偉いよ! Angel★Smile いつも笑顔いっぱいの菜桜が大好きだよ! 菜桜の夢、母は全力でサポートするからいっしょにがんばろうね!
(撮影:葛谷舞子)

「私は早生まれで、成長がすごく遅かったんです。言葉もぜんぜん出てこないし、動きも鈍い。同じ学年の子といっしょに遊べなかった。そのときにそばにいてくれたのが、ダウンちゃんとか、自閉症の子だった。私にとって、障害のある子というのは心のよりどころで、大切な存在だったんです」

 しかし、ふつうの人は障害児が普段どんな暮らしをしているか、知らない。だから、出産や育児が怖いのではないか。障害児の生活を撮影し、その写真を多くの人に見てもらうことで、生まれてくる命がもっと増えるのではないか。

 そう思った葛谷さんは「中野区の療育センターにお願いした。そうしたら、ダウンちゃんのご家族を紹介してくれたんです」。

■この子たちに恩返しをしたい

 それが関根家だった。当時、小学1年生だった真衣ちゃんは「ほんと、かわいくて」。

 お互いを「ちっちゃいマイマイ」「おっきいマイマイ」と呼び合うような仲になるころには、関根家で寝泊まりするようになった。

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苦労と楽しさは表裏一体