東洋大に進学するも、当初は貧血やけがに苦しみ伸び悩んだ。だが食生活を改善するなどして徐々に個人メドレー種目で頭角を現し、2017年に初めて日本代表入り。世界選手権200メートル個人メドレーで銀メダルを獲得し、その後、女子のエースと呼ばれるまでに飛躍を遂げた。
「高校時代も心の中には将来のオリンピック出場の夢があったかもしれませんが、口にしたことはなかったはず。現実的になったのは、2017年からだろうと思います」(奥谷さん)
200メートル個人メドレーでも金メダルが期待されるが、恩師は、
「想像を絶する重圧の中で戦っていると思う。私としては結果がどうだって、元気に帰ってきてくれればいい。また一緒に食事ができれば。ただそれだけです」
細身で目立たなかった子ども時代から、地道にコツコツと歩み快挙までたどり着いた教え子に、静かにエールを送った。(文/AERA dot. 編集部)