
「特に加速したのは2020年10~12月です。つみたてNISAの特性として、年末にその年の非課税投資枠を使い切るための“駆け込み買い”が発生する側面もありますが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は強い。当社のつみたてNISAで最も売れたファンドとなりました。2020年以降、他に譲ることなく1位をキープし続けています」
■信託報酬の安さが肝
ランキングを見て感心するのは、コストの安いファンドに資金が集中している点だ。つみたてNISAの対象ファンドは、購入時に支払う販売手数料がかからないので、運用コストは信託報酬がメインになる。同じ米国株ファンドでも運用会社によって信託報酬は異なるが、ランキング上位を占めたのは、ほぼ「年率0.1%台」と見事に激安なものばかり。個人がいざ申し込む際、真剣に比較して選んでいることがわかる。
インデックスファンドのコストといえば、販売手数料は2~3%、信託報酬は1~2%が当たり前の時代があった(今もアクティブファンドではよくある)。100万円分の投資信託を買った年に5万円前後が目減りしてしまう計算で、いまひとつ一般に浸透しなかったのも仕方ない。コロナ禍で好調な相場環境に加え、今やコストがすっかり安くなったことも、人気を後押ししているのだろう。
遅ればせながら私もつみたてNISAを始めたい、という人は何を買えばいいのか。人気ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんに教わった。
「米国株の好調に乗り、素直にeMAXIS Slimの米国株ファンドを買っても問題ありません。ランキング3位の『楽天・全米株式インデックス・ファンド』もいいですね。米国株を主導するアップルやマイクロソフトがあと数年で失速することは考えづらいですから」

ただ、米国株が永遠に好調とは限らない。一つの国だけに賭けるのは怖いという人もいる。
「つみたてNISAは最長20年で、20年後の相場は誰にもわかりません。途中で投資信託を変更してもよいのですが、買ったら最後まで放置したい人は『全世界株式』のファンドもいいでしょう。米国や欧米諸国に加え、中国や日本などのアジア株も組み入れられています」