満開のしだれ桜を前にして、口元がついほころぶ山田さん(撮影/写真部・小黒冴夏)
満開のしだれ桜を前にして、口元がついほころぶ山田さん(撮影/写真部・小黒冴夏)
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 盆栽というと、松の枝ぶりなどに技巧を凝らす渋~い趣味だと思われがちだ。

【写真】 花見もステイホーム!桜の女王「ソメイヨシノ」はこちら

 しかし今、熱い注目を浴びているのは、可憐な桜。手のひらサイズのものもあり、特に女性からの人気が高い。

桜の女王「ソメイヨシノ」を自宅で楽しむ。自分へのご褒美だ!!(撮影/写真部・小黒冴夏)
桜の女王「ソメイヨシノ」を自宅で楽しむ。自分へのご褒美だ!!(撮影/写真部・小黒冴夏)

「ステイホームで自然に触れる機会が減ったので、家で桜を見て癒やされるという人が増えています」

「湖上の舞」は高い位置の短い枝に花をつける。優美なたたずまい(撮影/写真部・小黒冴夏)
「湖上の舞」は高い位置の短い枝に花をつける。優美なたたずまい(撮影/写真部・小黒冴夏)

 と説明するのは、江戸時代末期に創業した老舗盆栽専門店「清香園」(さいたま市)の5代目家元・山田香織さん。

春と秋の年2回咲く「十月桜」(撮影/写真部・小黒冴夏)
春と秋の年2回咲く「十月桜」(撮影/写真部・小黒冴夏)

「盆栽は、手入れをすると表情が変わっていきます。そのため、ペットを育てているような愛情がわいてくるんですよ。1年かけて育てたわけですから、花が開いたときの感動はひとしおです。『咲いてくれてありがとう』という気持ちが、自然とわいてきます」(山田さん)

ピンクの花が鮮やかな「旭光」(撮影/写真部・小黒冴夏)
ピンクの花が鮮やかな「旭光」(撮影/写真部・小黒冴夏)

 桜盆栽を育てているという女性は、その魅力を語る。

「富士桜」は小ぶりな花が清楚(撮影/写真部・小黒冴夏)
「富士桜」は小ぶりな花が清楚(撮影/写真部・小黒冴夏)

「花芽が出ただけでも、嬉しくなってきます。風通しと日当たりによって開花の時期がずれますので、一輪ずつ咲いていくたびに、喜びが大きくなるんです」

初心者にも育てやすい「旭山桜」(撮影/写真部・小黒冴夏)
初心者にも育てやすい「旭山桜」(撮影/写真部・小黒冴夏)

 盆栽に使用される桜の種類も、ソメイヨシノからしだれ桜まで多種多様。“コロナ禍花見”はこれに決まり!?(取材・文/本誌・菊地武顕)

週刊朝日  2021年4月2日号