ポイントは、日本人に馴染みある料理にするため、本場のシュクメルリには入っていないサツマイモを加えたことだ。青木氏は「(サツマイモを使用した理由は)にんにくのきいたシュクメルリソースとの相性が非常に良く、日本人にも非常になじみ深い食材だからです」とメニュー作りの裏側を教えてくれた。
その後、シュクメルリという日本人に馴染みのない料理名が人々の好奇心をかきたてSNS上で一躍話題に。同社が実施した「第2回松屋復刻メニュー総選挙」でも1位を獲得し、今年1月に期間限定メニューに復活するなど、人気商品として定着しつつある。
■コンビニに登場、より身近な存在に
松屋フーズの成功に続いたのはファミリーマートだ。自社で展開する「ごはんにちょいかけ!」シリーズの商品として、2020年10月より発売されている。商品開発のきっかけは、日経上半期ヒット商品番付でランクインした松屋が展開するシュクメルリ鍋の存在だった。
株式会社ファミリーマートの大木氏(商品担当)は「現地ではスープとして食べられているシュクメルリをご飯にかけたらおいしいのではないかという発想で開発がスタートした。本場ジョージアの味を都度確認しながら、にんにくの味わいや香辛料の使い方を調整した」と開発の裏側を語る。松屋のシュクメルリ同様、現地の味をいかに日本化するかが商品化における課題だったといえる。
また、シュクメルリの成功の要因を「新型コロナの影響で、旅行や外食も思い通りにできない中、手軽に食べられる商品がコンビニで購入できること」と分析している。コロナ禍で自由に海外に行くことができない特殊な環境下、これまであまり聞いたことがないエキゾチックな料理に関心が出たのもヒットの理由なのかもしれない。
■ジョージアの文化を日本に。駐日ジョージア臨時大使の意気込み
ジョージア料理の日本市場への浸透に陰で大きな役割を担ったのが、駐日ジョージア臨時代理大使のティムラズ・レジャバ氏だ。同氏は、2019年に駐日ジョージア臨時大使に就任して以降、TwitterなどのSNSをフルに活用して同国の文化を積極的に発信してきた。
本人は日本でのジョージア料理の流行について何を感じているのか。