イラスト:オカヤイヅミ
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 昨年から、マイクロプラスチックに関する本を読んだり、インターネットでサイトを見たりしていると、地球温暖化も含めて、今の環境問題は相当まずいと感じるようになった。温暖化に関しては、ずいぶん前からいわれていたが、被害が現実になるのはまだまだ先と思っていた。マイクロプラスチックの影響についても、一昨年あたりから雑誌に掲載されるようになり、ただのゴミ問題ではなく、健康問題にまで発展する可能性もあると知ったのだが、あっという間にレジ袋に課金されることが決まったり、配布をやめたりという事態になっている。まだ先の話ではなく、今の話、そして対策をとるのが遅すぎているといった感じである。

 マイクロプラスチック問題は、家庭ゴミの影響も大きく、ペットボトル、商品の包装物、ウェットティッシュ、便利に使える紙のようにも、布のようにも見えるが実はプラスチックでできている不織布の製品など、そういったものが影響している。また私が本や雑誌を読んで驚いたのは、合成繊維の衣類を洗濯すると、そこから微細な繊維が下水を通じて海に流れ出て永遠に漂うということだ。それを食べた魚を私たちが食べ、体内にマイクロプラスチックを取り込んでいるというのだった。ゴミとして見えるものは注意できるが、そうではないものに関しては、まったく注意を払わなかったので、本当にこれはえらいことだと思ったのである。

 私の家の中を見ると、土や木でできているものを選んでいても、プラスチックに囲まれている。たとえばキッチンには、ラップ、密閉容器、調理道具など、プラスチック製品は多い。木製品に比べて、カビが生えにくいとか、洗いやすいとか、利点はたくさんあるのだけれど、処分するときには問題が起きるのだ。私の場合はそれまで使っていたものが劣化した時点で、しゃもじや調理道具を随時、プラスチックのものから木製、金属製に買い替えていった。そちらのほうが値が張るのだが仕方がない。生ゴミも基本的には新聞紙で折った袋に入れて捨てている。

 密閉容器や調理道具などは、何年か使い続けるものなので、まだましなのだが、いちばん問題なのが、使ってから捨てる期間がとても短いラップだという。私はひとり暮らしなので、料理を作っても余ることはまずないが、余ったときは茶碗の上に小皿をかぶせて蓋代わりにして冷蔵庫に入れたりしていた。しかし生のままの魚や鶏肉の場合は、ラップを使う。20メートル巻きのものを買っても相当持つけれど、使ってすぐに捨てるのは同じである。

 また電子レンジを持っていないので、冷凍しているものも少ないが、食品を冷凍するときにはビニールの保存袋を使う。一回使っただけではもったいないとは思いながら、ひとり暮らしの前期高齢者としては、衛生面には特に気をつけたいので、冬場は洗って乾かして二、三回利用することはあるが、夏場は肉や魚を入れたら、ゴミ袋として使って捨てる。でも、買って短期間で捨てているのにかわりはないのだ。

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