現在、立憲民主党に所属する小沢一郎衆院議員を元朝日新聞記者がインタビューし、この30年の日本政治の表と裏を描き出した。
小沢氏は27歳で国会議員に初当選し、47歳で自民党幹事長に就任。その後、統治システムを官僚支配から政治主導に変える「政治改革」をめざして自民党を離党。中心的存在として非自民の細川連立政権、民主党政権と2度の政権交代を実現させた。
本書では、民主党政権時代、政治主導で予算編成を行う「国家戦略局」構想が不発に終わったこと、米軍普天間飛行場の辺野古移設問題が迷走したこと、「陸山会事件」によって政治の表舞台から一時的に退場させられたことなど、日本政治の改革者として行動しながら、何が成し遂げられ、何が挫折したのかを関係者への取材を交えて多角的に検証する。政治の立て直しを考えるためのヒントが詰まっている。(前部昌義)
※週刊朝日 2020年12月11日号