これまでというか、ここ数年の西武は打力ばかりに頼り、弱い投手陣を打撃でカバーする展開だった。それが今年はシーズンの試合を重ねるごとに投手陣が自信を深めてきている。夏場は投手陣に疲れが出るから、そこだけは何とか打撃陣に踏ん張ってもらいたい。9月の声が聞こえたときに優勝争いの輪に加わっていれば、夏場にバテが来るであろう投手陣も、また勢いを取り戻せるはずだ。
決め手のない他球団よりも、明確な武器を手にしている西武。18、19年にリーグ2連覇を達成したときとは違った投打のバランスだけに、辻発彦監督の采配も変化することだろう。近年パ・リーグでは11年のソフトバンクのチーム防御率2.32が際立っていたが、それを更新してもおかしくない西武。パの主役に立つのではないかとOBとして楽しみにしている。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2022年7月15日号