「新型コロナウイルスの感染拡大は少し落ち着いたけど、失業した人とかが路上で夜遅くまで酒を飲んでいたり、なかにはヘロインを注射しているやつも多くなったように思う。なにより、揉め事がやたら多い。最近は俺もそいつらに絡まれることがある。外歩くときは本当に気を張っているよ」
現地で10年以上生活している友人でさえ、その変貌ぶりに戸惑う。コロナ禍は、経済だけでなく治安の悪化までもたらしているのだ。こうした状況を避けるために、富裕層が移動したのだとしたら、それはワーケーションでもなんでもなく、「避難」や「疎開」と言った方が正しいのではないだろうか。ワーケーションが進んでいるアメリカでもこの様子だ。果たして、コロナ禍の日本でワーケーションが定着するのだろうか。(文/丸山ゴンザレス)