「新型コロナウイルスの感染拡大は少し落ち着いたけど、失業した人とかが路上で夜遅くまで酒を飲んでいたり、なかにはヘロインを注射しているやつも多くなったように思う。なにより、揉め事がやたら多い。最近は俺もそいつらに絡まれることがある。外歩くときは本当に気を張っているよ」

 現地で10年以上生活している友人でさえ、その変貌ぶりに戸惑う。コロナ禍は、経済だけでなく治安の悪化までもたらしているのだ。こうした状況を避けるために、富裕層が移動したのだとしたら、それはワーケーションでもなんでもなく、「避難」や「疎開」と言った方が正しいのではないだろうか。ワーケーションが進んでいるアメリカでもこの様子だ。果たして、コロナ禍の日本でワーケーションが定着するのだろうか。(文/丸山ゴンザレス)

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丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス

丸山ゴンザレス/1977年、宮城県出身。考古学者崩れのジャーナリスト。國學院大學大学院修了。出版社勤務を経て独立し、現在は世界各地で危険地帯や裏社会の取材を続ける。國學院大學学術資料センター共同研究員。著書に『世界の危険思想 悪いやつらの頭の中』(光文社新書)など。

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