世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩くジャーナリスト・丸山ゴンザレスが、取材先でメモした記録から気になったトピックを写真を交えて紹介する。

【写真】コロナ禍でタイ・バンコクでは「客と嬢がフェイスガード着用で行為」に及ぶことも

こうしたところに住むマンハッタンの住人たちが軒並み「避難」しているという。ちなみに写真は、アメリカのドラマ『キャッスル』の主人公が住んでいる設定の高級アパートメント
こうしたところに住むマンハッタンの住人たちが軒並み「避難」しているという。ちなみに写真は、アメリカのドラマ『キャッスル』の主人公が住んでいる設定の高級アパートメント
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■「ワーケーション」ではなく「避難」という現実

 日本国内の「Go Toトラベル」は不発と言ってよいだろう。むしろ、全国各地に混乱を生じさせる結果となっている。そして、Go Toトラベルにくわえてもうひとつ、「ワーケーション」という言葉が取り沙汰されたことを覚えているだろうか。「ワーク」(労働)と「バケーション」(休暇)を組み合わせた造語だ。菅義偉官房長官が、観光戦略実行推進会議でワーケーションについて言及し、「リゾート地、また温泉地などで余暇を楽しみつつ仕事をするワーケーション、サテライトオフィスなどは新しい旅行や働き方のスタイルとして政府としても普及に取り組んでいきたい」などと触れたことで、一瞬だけ注目が集まった言葉である。

 さて、このワーケーションについて、私はあるテレビ番組でコメントを求められたのだが、正直困った。日本人の仕事観やライフスタイルとワーケーションは、もっとも遠いところにあるからだ。リゾート地で休暇とリモートワークを組み合わせられる環境が整っている人などかなり限られているうえに、今では批判の多い「GO TO」との兼ね合いもある。政府の対応を「ブレーキを踏みながらアクセルを踏むようなものだ」と言った人がいたが、まさにそんな矛盾の産物ではないか。

 ところで、日本よりもワーケーションが進んでいるアメリカでは、どのような状況なのだろうか。アメリカのなかでも特に多様な働き方をする人々が集まるニューヨークの様子を、現地の友人に尋ねてみる。

「ワーケーションをしているのは金持ちくらいじゃないか。それもロングアイランド(NY州南東部の島)とかに別宅を持っているような大金持ちだけだよ。マンハッタンの高級住宅地では、夜になっても電気がついてない部屋が多くなってきた気がする。たくさんの人が家から離れているみたいだ」

 いったいどういうことなのか。

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家を離れる理由とは