※写真はイメージです(GettyImages)
※写真はイメージです(GettyImages)
この記事の写真をすべて見る

「静かで控えめ」は賢者の戦略──。そう説くのは、台湾出身、超内向型でありながら超外向型社会アメリカで成功を収めたジル・チャンだ。同氏による世界的ベストセラー『「静かな人」の戦略書──騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法』(ジル・チャン著、神崎朗子訳)は、聞く力、気配り、謙虚、冷静、観察眼など、内向的な人が持つ特有の能力の秘密を解き明かしている。騒がしい世の中で静かな人がその潜在能力を最大限に発揮する方法とは? 同書の著者に秘訣を教えてもらった。(取材・構成:田中裕子)

謙遜するとどう見られるか?

──ほめられたときに、つい謙遜してしまいます。チャンさんは評価されたときやほめられたとき、意識していることはありますか?

  内向型かつアジア人として、とてもよくわかるお悩みです。

 私も仕事に対するポジティブなフィードバックをもらったとき、それが自分の成果であっても「チームメイトの誰々のおかげです」と答えていました。注目されるのを避けたかったし、そもそもほめ言葉をもらえるほどのことはしていないと心から思っていたのです。

 ところがあるとき、家族のように接してくれているある上司から、「あなたはあまりに謙遜しすぎる。ありがたく受けとりなさい。そうじゃないと、能力がないのに評価されている人間だと思われるよ」とアドバイスをもらいました。

 このとき、謙遜することでネガティブな印象を与えることがあると知り、態度をあらためようと考えるようになったのです。

感じよく一言で返せばいい

『「静かな人」の戦略書』にも書きましたが、謙遜したり、自分の立場はもっと下だとアピールするのは、責任から逃れられて楽な部分もあるのですが、それではまわりに貢献できません。

 アメリカ人のマネジャーに、「あなたは『すみません』と言いすぎだ」と注意されたこともあります。自分は価値ある人間だと表明して、もっと毅然と振る舞いなさい、と。

次のページ