そのとき言われてもっとも心に刺さったのが、「あなたはアメリカで活躍しているアジア人のマネジャーです。あなたが遠慮したり萎縮したりすることで、若いアジア人のメンバーもそう振る舞わなければならないと考えるし、ほめられなくてもいいと思ってしまうでしょう」という言葉でした。
このとき、自分がどうするのが心地良いかより、若いアジア人のロールモデルとして相応しい振る舞いをすることを優先させよう――ほめ言葉をもらったら、感じよく「ありがとうございます」の一言で受け入れようと決めたのです。
いまでもほめられると、内心「いやいや、そんなことはありません」と萎縮してしまいます。けれどその態度によって、いいことは何も起こらないと理解するようにもなりました。
きれいなお花を受けとったとき、「いりません」ではなく「ありがとう」と言うように、ほめ言葉を素直に受けとる。そういう意識を持ち、言葉にすることで、少しずつ慣れていくしかないのです。